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戦姫絶唱シンフォギアXV リレー連載 第1回

立花 響 役 悠木 碧

『戦姫絶唱シンフォギアXV』のスタッフ&キャスト陣によりリレー連載がスタート!

第1回のゲストは、立花 響役の悠木 碧さんです。
第1話の響のことやキャラクターソングについてたっぷり語っていただきました。

――ついに『XV』の放送がスタートしました。今期の響について、どんな印象をお持ちになりましたか?

悠木 響は常に悩み続けている印象があったんですが、『XV』では悩み抜いてすっかり大人になった印象がありました。響が悩んでいることというのは、一言で言えば「正義とは何か」。たぶん、その正解を見つけたというよりも、「悩み続けることが正義なんだ」と腹をくくったんだと思います。

それは響の行動にも表れている気がします。今までは人の意見や事態を素直に受け止めて、反射的に行動するタイプでした。でも、『XV』では物事を一度受け止めつつもちゃんと吟味して、その上で自分が取るべき行動を取るんです。悩み抜いて、器が大きくなり、余裕が出てきたのかもしれません。もちろん、今までどおり日常のシーンでは明るく元気でちょっぴりダメなところもありますが、困難を前にしたときの響はかつてないほどの頼りがいがあります。

――その変化は演技にも影響していますか?

悠木 お芝居そのものは変えていないです。行動や台詞から器の大きさが感じ取れるようになったとはいえ、お芝居まで変えてしまうと響が響じゃなくなると思ったので、今までの響らしさはちゃんと残すようにしています。

――第1話は、未来とのやりとりに何か不穏なものを感じましたが……。

悠木 未来は今までも不穏な台詞をポロっと言う子だったんですが(笑)、今回は『AXZ』のラストの件もあり、確かにより不穏な印象がありました。本来だったらずっと仲睦まじくいられる二人なのに、やっぱり運命がそうさせないのかなと思ってしまいます。ただ、これまでもたくさん辛いことを乗り越えてきた二人なので、この二人ならきっと無事に乗り越えられると信じています!

――その未来についてはいかがでしたか?

悠木 未来もどんどん器が大きくなっているなという印象があります。響のことを相変わらず心配してくれていますが、待っていることが私にできることだってどんと構えてくれているので、響も安心して任務に向かえるのかなと思います。

――そして、今期は第1話冒頭からいきなり響のソロ曲『ALL LOVES BLAZING』が流れました。

悠木 校歌と六人曲を合わせると響は1話で三曲歌わないといけなかったんです! 毎回、歌のアフレコは通常のアフレコのあとに収録するんですが、さすがに三曲まとめて歌うことはないだろうと思っていたら、すべて同日に録ることになって(笑)。ヘトヘトになるくらい大変でした。

――曲の印象についてはいかがでしたか?

悠木 今までは「ヒーローとは何か」、「正しくあるためにはどうすればいいか」という、響の苦悩を歌った曲が多かったんですが、今回の『ALL LOVES BLAZING』は「悩み続けることが正義なんだ」という一つの答えに響が辿りついた、そんな印象を受けました。最初にお話しした今期の響の変化というのも、この曲を聴いたときに一番強く感じました。

「悩んではいけないのに。一直線に進まないといけないのに」と苦しみ続けた響が、悩み続けることや考え続けることを肯定的に受け入れたのは、大きな成長だと思います。歌詞には自分への問いかけが多くて、ずっと自問自答を繰り返しているんです。

――確かに、歌詞の中に「?」マークがとても多いですよね。

悠木 今までいろんな人と手を繋いできて、様々な正しさの形を見せてもらったことでこの境地に辿り着けたのかなと思います。いろんな正義があるからこそ、どれか一つの正義に凝り固まるんじゃなくて、常に正義とは何かを考え続けなければいけない、と。

あとは、もともと考えるより先に手が出ちゃうタイプだったんですが(笑)、事件が起きるスピードが響の反応を超えるぐらい早くなってきたことによって、響がちゃんと事態を整理して理解しなければいけなくなったのかなと思います。

――レコーディングはいかがでしたか?

悠木 今回は一番歌いやすかったかもしれないです。レコーディングの前にキー合わせをしていただけたので、響の声に合わせて少しキーを高めに設定していただきました。

――台詞として喋っているときの声の高さと、歌っているときの声の高さがより近づいた感じになった?

悠木 そうですね。もちろん、今までの曲も響のキーではあるんですが、響が喋るトーンの中でもかなり低めのキーで歌っていて。それが難しさの要因の一つでもあったんですが、今回は変に意識しなくても自然と響のトーンで歌えるようになって、響としての表情がつけやすくなりました。

――カップリング『キミだけに』についてはいかがでしたか?

悠木 これは『シンフォギア』を愛する人には、絶対に聴いてほしい曲です! 『XV』のキービジュアルには流星、足跡、響と未来……というなんとも言えない不安感が描かれていますが、まさにあのキービジュアルが歌で表現されています。響にはスローテンポな曲があまりなくて、どちらかというとカップリングも本編で使えるようなバトル曲が多かったんです。でも今回は、未来への気持ちを静かに歌い上げるような曲調になっていて新鮮でした。響ってこんなに穏やかで優しい子だったんだって気付けましたし、歌っていてとても気持ちよかったです。

――『XV』を象徴する曲になりそうですね。

悠木 響が頑張って戦ってきた意味って、ここにあったのかなと思える曲です。「あぁ、ここに辿り着くために走り続けてきたんだ」って、少ししみじみしました。未来から響への想いの強さがよく話題にあがりますが(笑)、この曲を聴けば響も十分未来のことが大好きなんだとわかるはずです。基本、みんなのことが大好きな人類愛タイプの響ですが、未来のことは特別視している……それがわかるとてもいい曲なので、ぜひ聴いていただきたいです。

――そして、早速第1話から登場した六人曲『六花繚乱』についてはいかがでしたか?

悠木 今回の六人曲は響が五人を牽引するように、ほかの皆さんとコール&レスポンスをするような形で歌っています。響がチームの中心になってみんなをまとめていることが伝わってきますし、みんなからも頼りにされていることがわかって嬉しくなりました。

牽引役なのでレコーディングは緊張するかなと思っていたんですが、よくよく考えてみると私はソロパートが多いし、誰にも迷惑を掛けないポジションだぞと思って、ちょっと安心しました(笑)。アフレコ現場での収録は三人ずつだったので、早く六人全員で歌ってみたいですね。生でみんなと掛け合ったら楽しいだろうなと思いました。

――装者それぞれがいかに過去と向き合ってきたかが描かれていて、どこか集大成感のある歌詞になっていますよね。

悠木 悩み続けてきた装者たちの本質が詰まっています。特にこの六人を象徴しているなと感じたのが、「死んだって/負けやしない」というフレーズです。十代の女の子なのに、世界を守るための武器として戦場に投げ出され、普通の人間が戦えない敵と死ぬ気で戦い続けている。その彼女たちが戦いを繰り返し、辿り着いたのがこの境地なんだと考えると、なんてすさまじい覚悟なんだって震えました。みんな女子ですけど、ホントに男前です!

――では最後に、今後の見どころを教えていただけますでしょうか。

悠木 これまでの『シンフォギア』を知っている方ならわかると思いますが、今期も恐ろしいことしか起きません(笑)。いや、これまで以上に苦しい展開が待っていると、ぜひ覚悟していただけたらなと思います。個人的には、翼さんのストーリーに注目していただきたいですね。響としては、ぜひ第4話を楽しみにしていてください。激アツな展開が待っています!

◆コラム◆

演じているキャラクターを漢字一文字で表すと?(キャラクターの名前以外で)

これが武器を持たない響の武器なので。
響の強さ、優しさを象徴する漢字だと思います。