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Keyword モーゼルC96

#09

ドイツ、モーゼル社の設計による拳銃。
安価で扱いやすく、第二次世界大戦時、大陸にて広く使われる事となる。

戦中に大量に鹵獲されており、
風鳴 訃堂が用いたのもその一挺にあたるが――
神州・日本に拘泥してきた傑物が構えるにはどこまでも不似合いなシロモノでもあった。

封印より解放された翼の殺処分を決意する訃堂。

だが、その実行は、
練り上げた防人の肉体も、護国挺身刀・群蜘蛛も用いず、
懐から抜いたモーゼルC96によるものであった。

銃口と共に向けられたそれは、訃堂の失意と失望。

戦場の只中で、
少女のように泣きじゃくる不出来を片付けるに、
尊き日本の宝を振るうに能わずという意思の顕れであった。

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